知床の海が呼んでいる。

秋は知床の海(川)が面白い。9月13日には茂瀬苅別川という小さな川に潜った。


水深2mほどの滝つぼにカラフトマスが渦を巻いている。カラフトマスはいわゆる「秋鮭」(シロザケ)より少し早く遡上する魚で、繁殖期の♂は背中が雄大に張り出しセッパリマスとも呼ばれる。この日は最盛期にはまだ少し早かったらしく、♂の背中の瘤はまだそれほどには目立たなかった。そのぶん魚体の傷みも少なく、銀毛の個体が目立つ。


滝つぼにはカラフトマスに混じってオショロコマも見られた。やはりサケマスの仲間で、カラフトイワナの異名の通り、イワナに近い魚。


その美しさは「知床の宝石」と呼びたいほどだ。北海道の北半分に分布しているが、特に知床に多い。カムチャッカ半島に棲息するものは降海するが、北海道では基本的に淡水で一生を過ごす。知床には一部に降海型もいるらしいが、ぼくは見たことがない。昔は釣ったものをご馳走になったりしたこともあるが、近年では絶滅危惧種に指定されている。

10月15日、今度は海に潜った。羅臼ローソク岩というポイントで、もう二十年も潜っているぼくのホームグラウンドだ。(ホームオーシャンというべきかな?)


この日はオオカミウオが出た。体長1mほどの亜成魚である。長年羅臼に潜っているぼくにはさほどのレア物でもないが、東京から来た女性二人組は大喜びしていた。ダイビング仲間に写真を見せびらかして悔しがらせるのが楽しみだという(笑)。


こちらはナメダンゴの幼魚。7月に生まれ、その頃はうようよしていたのが、8月ぐらいには深みに落ちて姿を消す。それが秋が深まってくるとまた羅臼に現れる。体長1cmにも満たないちびだが、これから冬になると5cmぐらいに育った成魚が上がってきて、羅臼の浜で卵を産み、冬中じっと守っている。


ちびと言えばこちらも小さい。5mmほどのカジワラエビの稚エビ。こうなると(老眼のぼくには)肉眼では判別できない。マクロレンズで目一杯寄って写真を撮りながら、どうやらカジワラエビらしいと見当をつけるのがようやくだ。


ゴロタ石に眼と口がついたとしか見えないギスカジカ。羅臼の海では普通種だが、石になりきった姿を見るとつい撮りたくなる。鍋にして食べると、アンコウ鍋にも似てかなりおいしい。


羅臼の海はこれからの季節が面白い。だんだん水温が下がっていき、困ったことに時化で潜れない日も増えるのだが。ぼくの場合、抗がん治療を受けて一週間はさすがに潜れないので、
治療予定と天気予報を見ながらチャンスを窺うことになる。できれば、年内にもう1〜2回潜りたいものである。









コメント

  1. 遡上するカラフトマスを見ると元気が出ますね。

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  2. 小黒様。
    なぜか「返信」入力ができないようです。
    お返事が遅くなってしまい失礼を致しました。
    最近は潜っていらっしゃるのでしょうか?
    小生はいい写真を撮りたいといった気持ちが希薄になり、
    海に潜れるだけ幸せだと思いながら、
    海を愉しんでおります。
    夏から秋にかけて
    月に一度ぐらい羅臼に潜るのがせいぜいですが、
    またどこかの海でお会いしたいものですね。

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