夕焼け日記

11月18日に釧路に帰ってきて、
相変わらず毎日のように夕日の写真を撮っていた。


11月20日の夕暮れは、淡いパステル画のような色調だった。


それが、陽が沈んでいくにつれて色彩感を増してきた。


同じ日の残照。
太陽が沈んだ後、
空の色が少しずつ変化していくさまに見惚れる。

晩秋の釧路は日ごとに空気の透明感を増していく。
寒く冷え込んだ日の黄昏はひときわ烈しく燃え、
暖かい日はどこかぼんやりした穏やかな夕日になる。
雲の表情も日によって違うので、飽きない。
思えば、釧路の夕日を好んで撮るようになってから、
もう35年の歳月が過ぎていった。
別の街で仕事をしていた時期が長いので、
いまのように連日、夕日を撮っていたわけではないが…。


11月23日の夕焼けは茜色に染まった雲がきれいだった。


11月25日は青空が広がった。
地平線に近い雲だけが黄金色に染まっていた。

ここしばらく、
OlympusのOM-D E-M5に
フォクトレンダーや
コーワのレンズを装着して使うことが多かったが、
今回は久しぶりにSigma dp2 Quattroを持ってきた。
Olympusの使いやすさ、軽快さに慣れていたので、
久しぶりに使うと如何にも使いにくい。
照明条件によっては液晶画面がほとんど見えないから、
水平や構図など細かいところは現像で修正することにして、
おおよその山勘に頼って撮るしかない。
現像もシグマ独自のソフトを使うしかなく、
これがまた嫌になるほど動作が鈍重なのである。
しかし、
苦労して撮った写真の仕上がりは他の追随を許さない。
釧路の黄昏どきの色彩感、空気感をこれほどまで濃密に、
鮮烈に表現してくれるカメラをぼくは他に知らない。


11月28日は空が燃えているよな夕焼けだった。
川の対岸が空襲でもされたか、
ゴジラに襲われたかのように見えた。
とてつもなく美しいが、どこか不吉な夕空だった。


きのう(29日)は雲が重く、
雲が切れた地平線のところだけが赤く染まった。
きょうは薄い靄のような雲がかかって
随分ぼんやりとした夕暮れになったので撮影はしなかった。
釧路で2週間を過ごして、明日、東京に戻る。











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