(10月27日の我が家)
北国の冬は駆け足でやってくる。
先月27日に羽田を飛び立ち、
釧路空港に着いたのが午後1時。
そのときの気温が10℃を割り込んでいたので震え上がった。
それから1週間あまり、
あっというまに季節は晩秋から初冬へと移ろっていった。
(10月27日・モミジの終わり)
我が家の玄関の前には4年前に植えたヤマモミジがある。
今年は台風に直撃されるなどして、
紅葉はきれいに染まらないだろうとは思っていた。
ぼくが帰ってきたときには
かろうじて枯れ色になった一群の葉が残っていただけだった。
(10月31日・突風)
秋から冬にかけての釧路はよく晴れた日が続く。
(放射状冷却といって、快晴の日ほど寒くなるのだが。)
今年も晴れた日が続いていたのが、10月31日に崩れた。
朝から小雨混じりの突風が吹き荒れ、外に出る気にもなれなかった。
モミジや裏庭のハルニレ、ヤチダモの葉が一気に散っていった。
11月1日、再び晴れた。
しかし、前回の日記にも書いたように、
すでに手袋がなければ我慢できないほどの寒さになっていた。
いつものように幣舞橋で夕陽の写真を撮ってから、
食材を買うためスーパーマーケットに向かった。
その途中、かつての繁華街・北大通でビルの解体現場を見た。
(11月1日・解体現場)
ここは、ぼくが若い頃は「釧路デパート」という百貨店だった。
百貨店が潰れ、その後、様々なテナントが流転したが、
数年前から空きビルになっていた。
いま釧路では廃ビルや廃屋の解体がやけに目立つ。
衰退する地方都市の典型みたいな街だから、
そうそう新しい土地のニーズがあるとも思えない。
空き地ばかりになってしまうのではないかとちょっと心配だ。
(11月3日・終日雨)
3日、また雨になった。
冷たい雨が降りしきる、寒くて鬱陶しい祝日。
玄関前のヤマモミジは最後の一葉まで散って丸裸になった。
家の周りから緑が急速に消えていく。
(11月4日の我が家)
きょうはよく晴れた。
天気がいいので思わず外に出ると、
風の冷たさはまさに身を切られるほどだった。
気がつけば、
一週間ほどのあいだに風景がまるで変わってしまっている。
一番上の写真と比べてみてほしい。
画面右側のヤチダモなど、葉が完全に枯れ落ちてしまった。
昼めしを食べに行った駅前のラーメン屋で、
「寒くなりましたねえ」とおばちゃんに挨拶される。
朝は0℃近くまで冷え込んだはずだ。
「雪がチラついてましたよ」とおばちゃんはいう。
久しぶりに食べた熱い札幌ラーメンが美味しかった。
「宝龍」というこの店は、ぼくが二十代の頃からあった。
周囲の店が次々になくなるなか、ぽつんと残っている。
ぼくはたぶん、
三十年ぶりぐらいで「宝龍」のラーメンを食べたことになる。
我が家は南側がほぼ全面窓なので、
天気が良ければ温室のようなもので暖かい。
夜になって冷え込んできたのでストーブをつけようとしたら、
きちんと燃えてくれない。
原因は灯油切れで、文字通りの油断だった。
寒くて家にいる気にはなれないので、これから飲みに出るつもり。
思えば、若い頃、下宿していた家が古くて隙間だらけで、
ストーブを点けてもなかなか暖まってくれない。
それで毎晩、飲んで体を内側から温めて帰る癖がつき、
ずいぶん酒に強くなってしまって今日に至る…。
明日は雪になるという予報である。
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