フォクトレンダー

写真が好きなぼくは、初代以来、Sigma DPシリーズをメインに使ってきた。そして、サブ並びに水中用としてはOlympus。イメージセンサーのサイズ(マイクロフォーサーズ)にいくばくの不満を拭えなかったので、一時はCanon M3をサブに使っていたこともある。ところがこちらは
いつまで待ってもレンズのラインアップが揃わない。とうとう嫌気が差して売り払ってしまった。

Olympusに戻ったのは、マイクロフォーサーズのレンズの充実が目覚ましいからだ。ぼくはズームレンズを好まない。(水中用に広角ズームを一本持っているが、ほとんどの場合、ワイド端に固定して使っている。)マイクロフォーサーズ用の単焦点レンズとしては、コーワやコシナなどのメーカーがすこぶる個性的なレンズ群を用意していて、シグマにも、F2.8の17mm、30mm、60mmと、1万円台でコストパフォーマンス抜群のレンズがある。

そこでまず手に入れたなかの一本がフォクトレンダーのNokton25mm(コシナ)。


フルサイズ換算50mmの標準レンズだが、F0.95と滅法明るい。従って絞り開放で撮るとめちゃくちゃボケる。フォーカスはマニュアルだが、ピントが合う範囲がごく薄いので神経を使う。
いま仕事が編集作業に入って忙しく、撮影旅行はむろん、カメラ片手に散歩に出ることもできない。そこで通勤途上の代々木公園に咲いた彼岸花を撮ってみた。(ぼくは彼岸花が好きで、毎年撮影している。)


背景が盛大にボケて、花がふわっと浮かんで見える。花自体もソフトフォーカスをかけたような描写で、まるで夢のなかで出会った光景のようだ。肉眼でこんな風に見えるわけはない。レンズが作り出した超現実的な光景ともいえる。


絞りを2.8か4.0まで絞ると描写がかなりくっきりする。背景はきれいにボケているが、花そのものはシャープな写りである。絞るにつれて写真の印象が一変するのである。


こちらは々代々木公園で撮ったサルビア・グアラニチカ。


ぼくが住んでいるマンションの雨の日の中庭の様子。湿度をたっぷり含んだ空気感の描写が好ましい。


こちらは近所の公園にある「おすもう童子」の像。「せんとくん」で知られる薮内佐斗司氏の作。 西荻窪には同じ藪内氏による童子像が六つあるそうな。今度、暇ができたら探し歩いてみようかな。

Nokton25mmは大変面白いレンズである。絞りをいろいろに変えて遊んでみる。飽きない。多少かさばるレンズだが、Olympus OM-Dが小さいこともあって、鞄の中にぽんと放り込んで歩くことができる。最近は毎日この組み合わせを持ち歩いていている。愛着のあるSigma dp2からメインの座を奪うこともあるかもしれないな。

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