2015年10月14日水曜日

フォステクスのヘッドホン・T50RP mk2

ぼくはカメラならシグマ、
オーディオで言えばフォステクスといったメーカーが大好きだ。
ともに知名度抜群の大メーカーとは言えないが、
独自の技術力をもって知る人ぞ知るという存在の中堅メーカー。
自分がTVディレクターとしてマイナーな存在であり、
職人的な“こだわり”にプライドを持ってやってきたからだろうか、
モノ作りの「質」で勝負している会社に親近感があって、
つい応援をしたくなる。
今回、フォステクスのヘッドホン、T50RP mk2を買った。

ここのところ二週間に一度の定期的な入院生活を送っていて、
その否応ない病院での時間をより豊かに過ごすために
いい音楽をいい音で聴きたいという気持ちが高じてきた。
いままでAMG(オーストリア)のヘッドホンを使ってきて、
そのクオリティにまったく不満はなかったのだが、
でも、可能なら、もっとよりよい音で聴きたいという欲が出た。
元・オーディオマニアだから、このあたりは「ほとんど病気」だ。
予算は概ね2万円(…かあちゃん、ごめん)。
最終的に、
愛用してきたAMGの最新型、
我が家のホームスピーカーとして愛用中のB&O(デンマーク)、
そして国産のフォステクスの3つに候補を絞った。
音源はiPhoneに保存してあるiTunesのライブラリである。
ヨドバシカメラの新宿西口店にお邪魔をして、
かなり念を入れたリスニング・テストを繰り返したのだが、
結果は(自分で意外だったのだが)フォステクスの圧勝だった。
T50RP mk2は
もともと無骨なスタジオユースのモニター・ヘッドホンだが、
情報量の豊かさと音のキレの良さが他社の製品を圧倒していた。

T50RP mk2は50Ωということもあるのだろうか、
実はiPhoneに直挿しで聴くぶんには音量が物足りなく、
音もなんとなく面白味を欠くように思われた。
一時は、これはダメかな…と思ったのが正直なところである。
ところが、
フォステクスのDAC兼ヘッドホン・アンプのHP-P1を接続すると、
音の印象が一変した。
俄然、活き活きとした音楽を奏で始めたのである。

右がT50RP mk2、左はDAC兼ヘッドホン・アンプのHP-P1

同じフォステクス製品という相性の良さもあるのだろうが、
モニターにありがちな無味乾燥な“音”ではなく、
緻密かつ繊細ではあるが心が躍る“音楽”が聴こえてきた。
念のために何度か他社のヘッドホンにつなぎ替えて試してみたが、
その印象は圧倒的で、変わることがなかった。
JAZZの女性ボーカルの吐息のような息遣いまでが確かに聴こえる。
ドラムの音離れの良さ、ピアノの粒立ちなど、
全く異次元の表現力だと思った。
…ハイレゾなんていらないじゃないか、ぼくにはこれで充分だ。
デザイン的には飾り気がなく無骨で、かさばるのが難だが、
音を聴いてしまえば、もうこれしかない。
このクォリティで実質2万円を割り込むコスト・パフォーマンスは
内外のあらゆるメーカーのなかでも群を抜いているのではないか。

そんなわけで、今回の出張にも、
T50RP mk2(とHP-P1)を持ってきた。
可搬型アンプのHP-P1はすでに生産中止になっている製品で、
ハイレゾには対応していないが、
音の良さについて言えば他社の新製品を凌駕しているとぼくは思う。
ヘッドホンともども、
フォステクスというメーカーの底力を感じさせる。
実はもうひとつ、
フォステクスには
HP-V1という真空管の可搬式ヘッドホンアンプがあって、
HP-P1にさらにこのアンプをつなげると、
音場が広がり、音のリアリティが 一段と生々しくなる。
(これもヨドバシカメラで試聴して確かめている。)
HP-P1、HP-V1、さらにT50RP mk2を持ち歩くのは大変だが、
オーディオの泥沼にはまると、どうしてもそこまでやりたくなるのだ。
HP-V1はまだ買ってはいないが、
価格ドットコムで最安価格の推移を確かめながら、やがて買うだろう。

…かあちゃん、ごめんね、許してちょうだい。

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