2013年9月19日木曜日

夕陽の似合う街

番組を完成させて、
ようやく3週間ぶりに休みがとれた。
休みがとれるとなると、釧路に帰りたくなる。
故郷でも何でもないのだが、この街は落ち着く。
心の底からゆったりできる街は、
育った(実家のある)広島でもなければ、
現在本籍を置いている東京でもない。
生まれ故郷の松江か、さもなければ釧路なのである。
航空券はマイレージで予約していて、
羅臼で潜るつもりでいたので根室中標津空港行である。
(結局、ダイビングは出来なくなったのだが…)
17日は台風一過、天気がよかったので、
千葉から福島、仙台、石巻、宮古と空からの景観を楽しむ。
考えてみれば、ほとんど東日本大震災の被災地なのだが。
釧路の街もよく見えた。
雨で濁った釧路川の右上、
ヒョウタンというか、
出来の悪いヘチマみたいなかたちの湖が春採湖で、
ぼくの家はそのほとりの高台にある。
この写真を拡大していくと我が家が写っているはずだw


使用機材の遅れとやらで、
中標津に着くのが1時間ほど遅れた。
田舎町の困ったところは公共交通の不便なことで、
こうなると数時間後の夕方までバスがない。
漫然と待っているのもばかばかしいので、
空港から中標津市街、さらにその先まで歩くことにした。
テコテコと歩いて、
足が棒になる寸前、町外れに旨そうな蕎麦屋を見つけた。
「わかもり」という店で、
有機栽培した蕎麦を打って出しているらしい。
バスが来るのを待つあいだ「もり」を食べたが、
香りも味も濃厚で、腰も充分あって、かなり美味しい。
犬も歩けば棒に当たる、俺が歩けば旨いもんに当たるのだ。
標茶までバスで行って、
そこでまた1時間待ってJRの普通列車で釧路に入る。
飛行機が中標津に着いたのは14時半頃だったが、
釧路に着いたときには20時をまわっていた。
駅前の炉端で軽く一杯やって、
釧路に行けば毎回顔を出すバー「ウェストポート」へ。
世間話に通り過ぎたばかりの台風の被害を訊けば、
マスターの自宅(隣町の別保)は床上浸水だったという。
釧路でそれほどの雨というのは珍しい。
へぇ〜大変だったんだね、と所詮は他人事の気楽さ、
ところが家に帰ってみて驚いた。
我が家の前の坂道(未舗装)が陥没している。
雨で抉り取られたのだろう、
深さが1mほどもある大穴が開いているのである。
これにはさすがに吃驚した。
この家を建てて20年近くなるが、こんなことは初めてだ。
翌日には、当然のように「通行禁止」の看板が設置された。


一夜明けて18日、
我が家もそれなりに大変なことが判明した。
台風の被害ではない、
例によって家の周りに雑草が繁茂しているのだ。
家の南側にあるハルニレとヤチダモも葉が茂り過ぎて、
ちょっとしたジャングルのようになっている。
しゃぁない、やるべ、
というので草むしりと枝打ちで一日を過ごす。
いつものことだが、
釧路に帰ってくると、忙しくて「休暇」にならない。
下の写真は枝を払ってかなりすっきりした後に撮った。


近所の「ホーマック」(DIYの元祖みたいな店)に行って、
砂利を注文してきて今日は家の周りに砂利を敷く。
釧路の我が家の手入れはもう5年来やっているのだが、
自分で年に数日少しずつという話なのでなかなか進まない。
今回は風呂場に白い玉砂利を敷いてみた。
ユニットバスも、こうすればなんとなく温泉気分だ(笑)。


最近は釧路に帰ってくるとほとんど外食はせず、
和商市場で魚を買ってきて自宅で食べることが多い。
釧路はちょうど秋刀魚が美味しい季節なのだが、
今年は水温が高いため南下が遅れて不漁のようだ。
活きのよさそうなのを買ってきたが、一匹180円もした。
例年は100円以下が当たり前だから、かなり高い。
2匹買ってきて、1匹は塩焼き、1匹は刺身で食べた。
刺身は白ネギをたっぷり載せて一味唐芥子を振り、
ちょっと醤油に浸して食べる根室風で、これが旨い。
塩焼きは牛肉と違ってウェルダンの方が美味しいのだが、
火加減が難しく、
中まで火を通そうとすると表面が炭のようになってしまう。


きのうも今日も夕陽の写真を撮りに出かけた。
生まれ故郷の松江も宍道湖に沈む夕日が美しいが、
海に沈む釧路の夕陽はそれ以上だ。
ぼくは勝手に日本一の夕陽だと決めて、
もう30年以上、飽きずに写真を撮っている。
してみると、
ぼくは夕陽がきれいな街が好きだということなのか?
今回はデジカメを持ってきておらず、
iPhoneで撮ったのだが、
北国の秋特有の空気の透明感がなんとも魅力的である。
ちょうど秋分の日(と春分の日)には
幣舞橋から見て真正面に日が沈むのだが今回は数日早い。


これは我が家のすぐそばで撮った春採湖の黄昏。
尖塔のある白い建物は小学校で、
生徒が減っていまは廃校になっている。
地域経済が不振で人口が減る一方の釧路は、
なるほど夕陽が似合う斜陽の街である。



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