SKAGENの腕時計

愛用の腕時計NOMOSをオーバーホールに出した。
NOMOSはドイツ製の、いまどき珍しい手巻きの時計だ。
8年ほど前に買って以来、ずっと愛用している。



この時計、手巻きとあって、
使っているうちにだんだん狂いが生じるので、
1〜2年に一度はオーバーホールしなくてはならない。
まさかドイツまで送っているわけでもなかろうが、
仕上がってくるまで1ヶ月以上の時間がかかる。
そこで、その間に使うサブの腕時計を買った。
デンマーク製のSKAGENである。


腕時計は毎日身につけて使うものだから、
性能はもちろんだがデザインがいいものが欲しい。
ぼくが認める“グッドデザイン”の基準は明快で、
無駄を削ぎ落としたシンプルさをもって至上とする。
デザインはひとつの“思想”だと思っていて、
Apple製品を手放せない理由のひとつがそれだ。
MacBook AirやiPadの研ぎ澄まされた美しさを知れば、
とてもじゃないが他のパソコンを使う気にはなれない。
ところが、腕時計の場合、
シンプルなデザインのものって少ないのですね。
高級品でも妙にゴチャゴチャしていて気に食わない。

NOMOSを手放せないのも
これほど洗練されたデザインの時計を知らないからだが、
そのサブとなるとなかなか選択が難しい。
シンプルなデザインで、
なおかつNOMOSとは違うイメージのものが欲しい。
サブの時計だから、1万円以上は出したくない。
そこで選んだのがSKAGEN。
わずか6mmの薄さで45gの軽量、
写真では伝わらないかもしれないが質感も抜群にいい。
ネットでン千円で買える時計とは思えない高級感がある。
クォーツだから、
使い勝手や正確さはNOMOSよりも上だろう。

それにしても。
NOMOSはドイツ、SKAGENはデンマーク、
日本製品にはどうしてシンプルなものがないのだろう?
スティーブ・ジョブズが生前
禅に傾倒していたという話をふと思い出して、
本来日本人の美意識は簡潔を尊んだはずなのに…と思う。

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