羅臼の海に潜った。
本当は二日間潜る予定だったのだが、
昨日は波が荒く、天気も雨模様だったため見送ったのだ。
十年前であれば強引にでも潜っていただろう波だったが、
人間、寄る年波には勝てない。
考えてみれば年が明ければぼくは五十七、
すでにアラカンなのである。
さて、今日のダイビングはめちゃくちゃ愉しかった。
水は意外なほどきれいで、
水温も14℃だから羅臼としては楽勝の部類。
…そして、今日のビッグニュースはこれ!
クリオネではない。
体長は10cmほどで、クリオネの何倍もある。
最初は「育ちすぎたクリオネ」かな?とも思ったが、
よく見ると尻尾のところがまるで違う。
頭のツノも透けて見える内臓の形状も微妙に違う。
実はタルガタハダカカメガイという、
暖流系の海に棲息するクリオネの仲間なのである。
何の拍子か、遥々北の知床にまで旅してきたらしい。
もちろん、ここで観察されるのは初めてのことで、
ガイドの関勝則さんも夢中で撮影していた。
カメラとの比較で大きさのほどが判るだろう。
ガイドのカワハラアヤコ嬢によれば、
ぼくはレア物との遭遇率がめちゃくちゃいい、
日本一のラッキー男ということになるらしい(笑)。
で、実はぼくがレア物以上に楽しんだのがコレ。
魚はオキカズナギといって、
このあたりでは超普通種なのだが…。
ギンポの仲間はいまが恋の季節。
あちらこちらでカップルになっている姿が見られる。
こちらは既に熱々ムードの2匹に、
横恋慕するヤツが現われて大騒動になったものらしい。
ひれの青さが目立つのが♂で、これはたぶん婚姻色。
ムービーをよく見ると、
♀は最初から片方(体の大きい方)の味方をしていて、
後から割り込んだ(と思われる)方には勝ち目がない。
途中で諦めて去っていくのだが、
妙にさばさばとしていて、
「ちぇ、やっぱりダメか…」とでも
いいそうな顔をしているのがなんとも可笑しい。
で、残った相思相愛の2匹は、
人目も憚らず、熱烈に絡み合うのでありました。
(目の前で見ているぼくの方が赤面しそうだった…笑)
おはようございます。
返信削除面白いですね。
1年ほど前、刑務所の塀を乗り越えて脱走した男がいましたね。ある女性が「逞しくて、惹かれる」ということを週刊誌に書いていました。人の世も魚の世界も、生物の世界は同じってことでしょうか。
ま、弱肉強食が過ぎると良くないですが、一面の真理ではありますね。
>珍事さん
削除いつもありがとうございます。
ぼくの場合、
振られて去っていく♂についつい感情移入してしまうのですね。
哀しい過去があるゆえに…w
むちゃくちゃ、いいsituation(しかも2つ!)ですね。まことにうらやましい限りです。ピンポイントの訪問では、なかなかよい出会いは難しいものです。もしかして、奥さんとの出会いもピンポイント?(笑)
返信削除妻は長い潜行取材を経てゲットし(ゲットされ?)ました。
削除教訓:時間をかければいいってものじゃない(笑)。