知床・夏の海

忙中閑ありというが、
「閑」はなくとも休暇を強行取得して北海道に飛ぶ。
根室中標津空港に降り立って、バスで知床(羅臼)へ。
道東は昼でも気温が10℃台で、
長袖のシャツを着ていても肌寒く感じるほどだ。
福島が連日35℃前後と暑く、
暑さに弱いぼくは顎を出していたので、ホッとする。
それが昨日のことで、今日は羅臼の海に潜った。


一ヶ月ほど前に生まれた
ホテイウオ(一枚目の写真)やナメダンゴ(二枚目)が、
コンブやオキツバラなどの海藻の上に乗っている。
体長が1cmに満たない、
いつもながら老眼泣かせの被写体である。
生まれたばかりの時は一枚の葉っぱに何匹も群れているが、
この頃になると一枚に一匹、
小さいながらも一国一城の主を気取っているとおぼしい。
なかなか独立心が旺盛なヤツらだ。


水温は底で12.0℃。
真冬の寒さにも耐えるインナーを着て、
ドライスーツに身を固めているので、
これくらいの水温なら快適そのものである。
午前と午後に一本ずつ、
ともに一時間以上潜ったが、ストレスを感じない。
羅臼の海にのんびりとした気分で潜れるのは、
一年でも7〜9月のせいぜい三ヶ月ほどの話である。
むりやり休暇を取って遊びに来た甲斐があった。


こちらはイバラヤドリモエビの稚エビ。
これもまた小さい(1cmくらいか)のに加えて、
海藻の中に隠れているので撮りにくいことこの上ない。
色鮮やかな洒落た縞模様が特長で、
見つけると嬉しくなってしまう被写体である。
嬉しいのと撮りにくいので、
被写体の前に腰を据えて20枚以上シャッターを切る。
絞りを微妙に変えて、いろいろやってみる。
海の底でじっとしていても、
震えが来ないのがこの季節のありがたさである。


最後の写真は知床の主ともいえるオオカミウオ。
本当は気が弱いヤツなのだが、
表情は獰猛そのもので、
鋭い牙をみるとあまり近づきたくなくなる。
(襲ってくることはまずなく、逃げてしまうのだが…)
二本とも1m大の違う個体と遭遇したが、
ガイドのK嬢が指さしてくれたにも拘わらず、
しばらくはその存在に気がつかなかった。
1cm以下の小さなものばかり見つめていると、
1mを超えそうな大物のオオカミウオには
肉眼のピントが簡単には追従しないようである。



コメント

  1. 傘寿+アルファーの抵抗2012年7月22日 12:37

    もういい歳になったから夫婦一緒に楽しむことを考えたらどうかな、ばあさんが夫婦仲がうまくいってるかどうか取り越し苦労をしている。老い先短い年寄りにあまり心配を掛けないで欲しい
    しかし元気なのは何より

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  2. >傘寿+アルファ…殿

    年寄りはあれこれ気をまわし過ぎていかんわ。
    心配ご無用、
    「かみさんのご機嫌が第一」が立党精神だ。
    さきほど釧路で合流をして、
    さっそく寿司をご馳走させられたところ。
    ウニだのホッキだのパクパク食べられたわ(笑)。
    もうすぐ結婚記念日なので、二人で釧路で過ごす予定。

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