蒲公英の家


羅臼で潜り終えて、釧路の我が家に帰ってきた。
2月の上旬以来で、ほとんど4ヶ月ぶり。
その間もローンを払い続けているのだから、
とことん楽しまなくては…とセコイことを考える。

天気がよく、庭は満開の蒲公英で埋め尽くされていた。
ぼくは生命力に溢れる蒲公英が好きである。
33年前、
ぼくが新人TVディレクターとして
釧路に着任したのは6月上旬のことだった。
そのときも蒲公英が満開で、
街中が黄色い絨毯のように見えた。
それがとても心に残って、
いっぺんでこの街を好きになった。
あのとき蒲公英が咲いていなければ、
後に釧路に家を建てることはなかったかもしれない。
家を建てたときも、
蒲公英の絨毯のなかに家が浮かんでいる光景を夢想して、
除草剤の類を一切使おうとしなかった。
その結果、
蒲公英以外の雑草が蔓延って、
えらいことになってしまったのだが。

今年は玄関の前に一本の木を植えようと思っている。
去年ウッドデッキを造ってくれた
「丸善木材」の鈴木専務に案内をお願いして、
釧路町別保にある「マルトミ造園」を訪ねた。
ここは宏大な敷地に様々な種類の木が植えられていて、
自分の目で木をみて選ぶことができる。
自然の移ろいを実感できる広葉樹を中心に見て歩いた。
なかで一本、枝ぶりのいいヤマモミジが目についた。
少し捩くれた太い幹が逞しい生命力を感じさせる。
予算をちょっとだけオーバーしていたが、
一目惚れに近い状態でこの樹を植えてもらうことにした。

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