知床・春の海に潜る

去年の6月以来だから
ほとんど一年ぶりで知床(羅臼)の海に潜る。
水温は水深20mで3.5〜4℃、思ったより温かい。
5月の連休あたりまで
この海域は零下の水温が続いているはずなので、
これでも急速に春が訪れているわけだ。
がっちりインナーを着込んで
ドライスーツに身を固めていくので、
この水温であれば全く寒さは感じずにすむ。


この季節に潜るのは久しぶりである。
ダンゴウオやホテイウオの稚魚はまだ姿を見せておらず、
海はトクビレの仲間のオンパレードだった。
「トクビレ」といっても
北の海に潜るダイバー以外はピンと来ないかもしれないが、
北海道の居酒屋などで
ときどきメニューにある「八角」の仲間だ。
といっても、
ピンと来ない人はやっぱりピンと来ないかもしれないw
上の写真はオニシャチウオといって、
なかなか精悍なフォルムが魅力的である。
体長は大きなものでは50cmくらいになるだろうか。


こちらもやはりトクビレの仲間で、クマガイウオ。
あまり泳がず海底を這うようにして動き回る。
短い距離を泳ぐ直前に背びれをピンと立てるのだが、
着地するとまた畳んでしまう。
背びれを立てた写真が撮りたくて、
しばらくのあいだ追いかけまわした。


こちらはコンブの上に乗っていたサイトクビレの稚魚。
体長が1cmちょっとで、
そのうえ体が半透明だからなんとも撮りにくい。
レンズはLeicaの45mmマイクロフォーサイス、
(35mmフィルムカメラに換算すると90mmだ)
明るいレンズだが被写体深度が浅いので、
カメラ(Olympus Pen Lite)のAFが悩みまくる。
これがたった一枚だけピンが来ていた写真。
(老眼なのでマニュアル・フォーカスではなお撮れない。)


こちらはナメダンゴの幼魚である。
去年、この海で生まれた、当年とって1歳児。
生まれたときには5mmかそこらの大きさだが、
一年で2cm大にまで成長した。
生まれた直後の姿は、去年のブログにちょっとある。
2枚目の写真がそう。
3年前のブログではベビーラッシュを記録している。
もうすぐ今年の弟や妹が産まれると、
入れ替わるように幼魚は深みへと去っていく。
今度戻ってくるのは産卵のためで、
そのときには5cm以上に成長しているはずだ。
ただし、成魚になると地味なオレンジ系の体色で、
この写真ほど鮮やかな紅い個体はいなくなってしまう。

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