2012年5月15日火曜日

ETV特集「除染と避難のはざまで」


きょうは鹿島綾乃アナウンサーでナレーションの収録。
ここまでくれば番組は「できたも同然」で、
明日、字幕を入れれば、それで完成ということになる。

去年の夏に仙台に転勤して以来、
ほとんど南相馬に通い詰めだったから、
当然、出来上がった番組には個人的な思いがこもっている。
政府や東電のやり方には、腸煮えくり返る思いもある。
だが、ぼくは何よりまず「報道者」なので、
アジビラの如き下品な番組にはしなかったつもりだ。

いま、政府は、
「年間20mSvは安全」を前提に政策を展開しつつある。
一方で児玉龍彦先生らは安全基準をもっと低く考えている。
ぼくは如何なる意味でも「科学者」ではないので、
安全論争に科学的な判定を下す力があるはずもない。
だから、その点についてはニュートラルである。
ただ云えることは、
例え20mSvが「安全」だったとしても、
それを甘受するよう求められる謂われはないということだ。
例え話で恐縮だが、
自分の庭にゴミを撒き散らかされて、
このゴミは安全だから我慢しろと云われる道理はない。
安全だろうが何だろうが
不愉快だからあんたの責任で撤去してくれというのは、
庭にゴミを撒き散らかされた人間にとって当然の権利だ。
それが世間の「常識」というものであり、
ぼくはその「常識」に依拠すべきだと考えた。

福島原発事故において、
「安全論争」に終始していたのでは本質を見誤る。
「常識」が「常識」として通用しないとすれば、
それは世の中が歪んでいるからだ。
ぼくは番組のなかで、
「もし原発事故が起きなければ」というナレーションを
前後3回にわたって繰り返した。
原発事故によって、
どれだけの人たちの人生が変えられてしまったことか。
起こってはならなかったことを引き起こした人々の責任は
決してないがしろにしてはならない。
報道に携わる人間が徒らにワケ知り顔をすることはない。

2 件のコメント:

  1. 5月20日、放送ですね。ぜひ見ます。

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  2. ありがとうございます!
    感想をお聞かせください。

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