2012年4月1日日曜日

全共闘世代に撃つ用意はあるか?

iPadからAppleStoreで映画をレンタルして、
HDMIで接続したテレビのハイビジョン画面で見る。
最近はそういうことが簡単にできるようになった。
観たのは若松孝二監督の「われに撃つ用意あり」。
1990年の映画で原田芳雄が主演している。
以前にも書いたが、
ぼくは40年来の原田さんのファンで、
サングラスにジーパンなど多大な影響を受けている。

この映画を観て、
原田さんはやっぱりカッコよかったなと思う。
でも、映画に対する点は辛い。
全共闘世代への過剰な思い入れが鼻につくからである。

ぼくは70年安保に遅れた“空白の世代”だが、
全共闘世代の人たちをあまり信用していない。
すぐに裏返ってしまう人たちだという印象がある。
知っている顔を思い浮かべてみると、
60年安保の世代がその体験を引きずったのに対して、
70年組はころっと忘れてしまった気がする。
若松孝二監督自身は、
全共闘世代に支持されてきたものの、かなり上の世代。
戦ってきた“先輩”として、
全共闘世代にある種の幻想を抱いていたのではないか。

全共闘世代への思い入れを削ぎ落としてしまえば、
かなり乱暴なストーリーである。
歌舞伎町をめぐる
やくざたちの角逐はきちんと説明されていない。
だから血眼で追いまわす
ビデオテープの持つ意味がくっきりしてこない。
原田芳雄扮するバーのマスターが
なぜか自宅に拳銃を所持していたり、
「プロ」である警官ややくざと撃ちあって勝てるほど
射撃の腕がよかったりするのは、
あまりにご都合主義(笑)というものだろう。
これまた大好きな俳優だった
室田日出男さんが出てくるだけでぼくは嬉しいのだが、
香港やくざ(?)の親分らしいのに
子分が一人しかいないのは情けないではないか。
普通なら、
原田さんはあっさり返り討ちにされてしまうだろうに。

新宿歌舞伎町の風俗が活写されているのは「買い」。
いま思えば、バブルが盛りの時代である。
当時50歳、
だから実は全共闘世代より10歳も上の原田さんが
新宿の街を全力疾走するのを
ワンカットでとらえた移動撮影は感動的ですらある。
しかし、ぼくは勝手に断言をするが、
全共闘世代に「撃つ用意」なんぞありっこなかった。
この映画はセンチメンタルに流れ過ぎた。


1 件のコメント:

  1. narumiです。
    お久しぶりです。 参考にして映画を見てみたいと思いました。

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