「さよなら」明治屋

きょうは北海道の白老で社内研修。
テーマは
「テレビはアイヌをどう伝えてきたか」で、
2時間の講義の講師を務める。
講演など人前で喋るのはけっこう慣れているが、
今回のテーマは「ネタおろし」なので、
数日間は準備のため睡眠時間が短かった。

終わって千歳空港から神戸に飛び、大阪に入る。
北海道はきょうが初雪のところが多かったが、
大阪も「木枯らし一号」とやらで寒い。

ホテルにチェックインして、
さっそく阿倍野の「明治屋」に向かう。
レトロな佇まいの安くて旨い居酒屋だが、
移転新築のため、
明後日をもって一度閉店するのである。
(今度はビルの中に入るらしい。)
大阪出張のときはよくこの店に飲みにきた。
「きずし」(関西風の〆鯖)や土手焼きが旨く、とりわけ湯豆腐(370円)の美味しさは感涙もの。
一丁丸ごとの湯豆腐を鉢に入れて、
とろろ昆布とネギ、柚子の皮を載せて特製(?)の出汁をかけたそれだけのものだが、しみじみ旨い。
お酒に燗をつける道具(写真の中央やや下)や、
手前にちらっと写っている湯豆腐を入れた胴の箱鍋が実になんともいい雰囲気である。
(こうした道具や内装はすべて新しい店に持っていくという。)

新装開店は来年3月だが、
しばしの別れを惜しんで湯豆腐のお替わりを注文したら、
隣に腰かけていたごま塩頭のおっちゃん(後で聞いたらぼくと同い年だった…w)が
「この店には二十年通ってんねけど湯豆腐をお替わりしたのん初めて見たわ」と話しかけてきた。
一人で来ている客が多く、客同士が気楽に口をきくことができるのも、こうした店のいいところである。

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