ゆっくりと流れる時間が最高の贅沢


「釧路にいると時間がゆっくりだね」と妻がいう。まったくその通りである。東京にいるときは休日でもどこか慌ただしく過ぎていく。釧路も我が家のある辺りはいたって静かだし、日溜まりでのんびりしていると退屈というのとは違う意味で一日が長く、ゆったりとした、豊かな時間が流れていく。

と書いたところで、
一日中ゴロゴロしていたわけではない。洗濯をして掃除、ぼくはガラス窓を拭き、妻は床を拭く。庭の草刈りをして除草剤を撒き、伸びすぎたハルニレの枝を剪定してやる。それだけのことをして、なお一日が長い。東京で忙しい生活を送っている妻は、北海道の時間の豊かさに癒されるという。ぼくはだんだん帰りたくなくなってしまう。

北国・釧路でもこの季節は日が長い。
日没は19時近くになる。散歩がてら、ぶらぶらと街に出る。潜水用に持ってきていたOlympus Pen Liteで夕焼けを撮る。いつも愛用のSIGMAに比べれば逆光に強いので、ゴーストをそれほど気にしないで撮った。柔らかい表現にちょっと絵画的な味がある。夕食は韓国家庭料理の「マシソ」にて。釧路で韓国料理というのも奇妙なようだが、妻がこの店のチヂミを食べたがるので、夫婦で来たときは必ずといっていいほどこの店に寄る。チヂミとは韓国風のお好み焼きだが、確かにこの店のものは天下一品で、いままでどこで食べたものより旨い。豚足、トッポギ、牡蠣フェ(韓国風刺身)…何を食べても美味しく、そして安い。

夕食後は、ぼくが釧路にいる時いつも飲む店、「ウェストポート」に顔を出す。もう20年ちかく通っているのだが、ここ数年、マスターが手相を観るのがウケて、客層がまるっきり変わってしまった。具体的に云えば女性客が圧倒的に増えたわけで、ほとんど飲まないで順番が来るのをじっと待っている。ぼくのように「ただ酒を飲みたいだけ」の客はどうも落ち着かず、居心地が悪い(笑)。最近、移転して、店が広く明るくなったので、古い常連客からはブーイングが出ているそうだ。

かみさんも観てもらったのだが、親指の付け根に闘争的な相があり夫婦喧嘩をすれば強いとのこと。…亭主としては、けっこうアタッているような気がするのだが(爆)。

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