これからナレーション録り

きょうはMA(ダビング・スタジオを使っての音作り)初日で、これからナレーションを録る。
ナレーターは俳優の苅谷俊介さんにお願いをした。
最近では考古学者としての活躍の方が知られているかもしれない苅谷さんだが、
武骨ななかにも優しさがあるナレーションが好きで、仕事をお願いするのはこれが三度目だ。
風貌的にも中小企業の社長さんっぽいので、
今回ナレーターを捜すにあたっては第一候補だった。
もっとも苅谷さんの風貌はどちらかというと「鉄工所の親爺さん(創業社長)」で、
食品加工会社の二代目社長なら、むしろ香川照之さんのイメージかとも思ったのだが…(笑)。

ナレーション録りは番組作りの最後の山だ。
これが終わると、
後はミキシング(ミキサーの仕事なので、ディレクターは立ち合うだけ)と字幕入れくらいで、
ぼくとしてはぐっと気が楽になる。

「倒産 〜中小企業・再起までの150日〜」 22日(火)夜11時 総合テレビにて放送(42分)

番組を作り終わると年内はゆっくりできる予定。
だいぶ疲れがたまっているので、できれば一泊でいいから温泉にでも行きたいものだ。
(押し詰まってからでは慌ただしいかなあ…?)
そういえば、年賀状の準備を何もしていないことを、いまこの瞬間に思い出した(汗)。

来年は、元日早々からまた北海道ロケで、
6日から編集開始、1月一杯また編集室に缶詰になる。
(その間、先モノの取材で長野県の伊那に一泊の出張があり、ぼくは54歳になる。)
…来年は、今年に増してドタバタ慌ただしい一年になりそうな予感。

コメント

  1. 初めてコメントをさせて頂きます。22日「倒産~中小企業・再起までの150日~」を感慨深い思いで拝見させて頂きました。
    私自身、藤六さんと同じ和日配業界で祖父・父の後を継ぎ10年社長を務め、一昨年、創業85年の会社を廃業したものです。現在は、中小企業の事業承継・再生などを手掛ける財務系コンサルティング会社にてコンサルタントをしております。
    あの捧社長と同じ究極の決断が出来ず、経営者自身、従業員、取引先までを巻き込み更なる地獄に足を踏み込んでいく例を残念ながらたくさん見てきました。
    私は幸いにも債務はすべて弁済出来、自己破産にはなりませんでしたが、「廃業する」と判断した時点では債務を100%弁済出来る目途も立っておらず、従業員の再就職先をどう見つけるか? 取引金融機関にどう納得してもらい、仕入先への支払いを優先させるか? 販売先の商品棚に穴を開けずに最終日まで製造出荷をし続けられるか?(そもそも廃業すると決まった取引先の商品を仕入れてくれるのか?)、従業員は最後まで出社してくれるのか?等々、それまでも眠れない夜を散々過ごしましたが、廃業までの半年間は本当に精神的に追い詰められておりました。
    妻と2人で拝見致しましたが、本当に感慨深い思いでした。
    今度旭川に行く時は、何とか時間を作り捧元社長をご訪問させて頂きたいものだと考えております。
    本当に良い番組を作って頂き、有難うございました。

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  2. >urachyanさん

    番組を見ていただき、
    また丁寧なコメントを下さって、ありがとうございます。
    たぶんいま日本中に同じ思いをされている方、
    苦しんでいる渦中の中小企業経営者がたくさんおられると思います。
    現在の(たぶんもう二度と右肩上がりは望めない)不況のなかで、
    会社の債務に連帯保証をする「社長」、
    従業員や取引先の今後が重く肩にのしかかる「社長」ほど過酷な仕事はない…
    それが番組を作って痛いほどの実感でした。
    捧さんという、
    重過ぎる現実と誠実に向き合おうとした一人の人間の記録を残したいと思い、
    また、
    同じ境遇にある方々がどこかで元気づけられれば…と願って作った番組です。
    来年は、
    urachyanさんとよく似た経歴の方が多いコンサルティング会社に密着し、
    コンサルの背中越しに中小企業の過酷な現実を見つめて番組を作る予定です。

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  3. エイコンハウス2009年12月25日 1:38

    番組拝見しました。
    毎度ながら“希望”を与えてくださいますね。

    番組後半の、インタビューを受けている庄子社長越しに、デスクで黙々とパソコンに向かう捧元社長が映っているシーンが強く印象に残りました。社長室の後片付けが終わるまでの暫定的な配置なのかもしれませんが、元社長と現社長が隔てもなく向かいあって働いている職場は、とても素敵だなぁと思えました。

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  4. >エイコンハウスさん

    いつもありがとうございます。
    インタビュー時のあの2Sはカメラマンが「狙った」映像ですが、
    いろんな見方ができる、
    そういう意味ではドキュメンタリーならではの“多義的”な部分です。
    エイコンハウスさんのように見る方もいるだろうし、
    もっと意地悪く、残酷な現実として見る方もいるだろうと思います。
    あのカットに着目したあたり、
    やはりエイコンハウスさんは「見巧者」ですね。
    ちなみに。
    元の社長室は現在は応接室として使われているので、
    あの配置は半恒久的なものです。

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