2009年11月29日日曜日

タランティーノ、久々の新作が面白い。

たぶん、一年ぶりくらいに走った。
ぼく自身のダイエットのためではない。
きのうの日記にも書いたように、ぼくは何もしないでも一日に1kg痩せることができる。
現に今朝もきのうに比べて900g痩せていたのだから。
だから、走ったのは妻のためである。
ダイエットのためだと云ってジョギング・ウェアとシューズを新調して、
もう数ヶ月も走っていない、三日坊主のB型女房を併走しながら叱咤激励して走らせるためだ。
我が家から善福寺河畔に出て、4kmほどのいつものコース。
さすがに久しぶりだから足が重かったが、ま、女房のペースに合わせて走るのだからちょろいものである。
とはいえ、もう若くはないから、明日はきっと足が痛むのだろうが…。

午後は新宿ピカデリーに、
クエンティン・タランティーノの新作「イングロリアス・バスターズ」を観に行く。
映画は予備知識なしで観るのが一番いい。
この映画も、タランティーノの監督作品だから観に行くことにしたが、
ブラッド・ピットが出ていることと、
戦争(第二次世界大戦のヨーロッパ戦線)がテーマだという以外に、予備知識はほとんどなかった。
そして、それがよかったと思う。
まず思ったのは、タランティーノは本当に映画作りが巧いなあ…ということである。
今回は得意の時制の解体こそしてはいないが、
編集のキレは抜群だし、
定評ある音楽の使い方も、マカロニ・ウェスタンのテーマ曲などを自在に駆使して、相変わらず巧い。
今回特に印象的なのはサスペンスの盛り上げ方の上手さで、
ほとんどヒチコックを彷彿とさせるほどのものだ。
タランティーノのB級映画へのマニアックな愛情は知られたところだが、
地下の酒場での銃撃戦は、もしかしたらキューブリック「現金に体を張れ」からの“引用”かもしれない。

緩急自在の語り口に魅入られるまま、2時間半をあっというまに見せられてしまった。
そして、あまりの面白さに夢中になっているうちに、スクリーンには次第に不穏(?)な空気が漲り出す。
「あ、これはやるかなあ」と思い、
「どうも、なんだかやりそうだぞ」と思ううちに、
「あ〜あ、やっぱりやっちゃったよ」ということになる。
タランティーノにとっては、
映画は面白いかどうかがすべてであるらしく、
稗史ですらない「やっちゃった」ことへのエクスキューズがまるで皆無という破天荒さである。
とにもかくにも、タランティーノの巧さと(本質的に)アナーキーであることに圧倒されて、
呆然、というか毒気を抜かれたような気分で映画館を出た。

「バーン・アフター・リーディング」と打って変わって“親爺作り”のブラピが愉しそうに演じていて、
これほどの正統派美人女優には久しぶりに出会った気がする、メラニー・ロランが魅力的だ。
ナチ親衛隊の大佐に扮したクリストフ・ヴァルツは何となくどこかでみた顔だと思ったら、
そこはかとなく我が西村晃さんに似ているのですね。
顔の造作というよりシルエットが似ている。
芝居の巧さも西村さんクラス(ぼくにとっては最高の誉め言葉)です。

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