シンコの季節


午後の飛行機で東京に帰ってきた。
東京は酷く蒸し暑く、
不快指数の高さにうんざりする。
夜、荻窪駅近くの居酒屋「久」で
かみさんと待ち合わせる。
遅くまで仕事をしていたかみさんが、
「お寿司を食べたい気分」だというのである。
「久」は居酒屋だが、寿司がなかなか旨い。
もともと奥さんの父親が
寿司屋をやっていたところに開いた店だそうで、
そうしたDNAがどこかで関係しているのかも…。

ちょうどコハダの幼魚、シンコの季節である。
江戸前のものはまだこれからだろうが、
「久」では天草産のシンコを入れていた。
本当の赤ん坊で、なんと「四枚づけ」(一貫をシンコ四匹で握る)である。
食べるのが可哀想なようなものだ。
この店のコハダは酢を使わず塩で〆ていて、九段の「政寿司」などと同じスタイルだ。
たぶん東京には昔からこういう仕事の仕方もあったのだろう。
それを30代の若い主人がやっているのが面白い。
(主は岐阜県出身。京大を中退し上智の理工学部で数学を学んでから料理人になったという変わり種だ。)
シンコの味はなんとも淡すぎたが、
ぼくにとってシンコを食べるのは「季節感を食べる」ことであり、縁起かつぎのようなものである。

コメント

  1. 「わたすをスシーに連れてって」

    ご無沙汰いたしております。ジョージ・クルーニーでーす。
    状況の折は、また連れてってくださーい!!

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  2. >ジョージ・クルーニー先生

    ご無沙汰しています。
    「状況の折」というのはたぶん誤変換ですね(笑)。
    でも、なんだか「風雲急を告げる」感じがあっていいですね!

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  3. ご無沙汰しています。
    いま、壁崩壊から20年を迎えようとしているベルリン滞在中です。連日暑くてなかなかしんどい日々です。
    それにしてもシンコ四(!)枚づけ、美しい・・・。
    私も早速、来月初旬の帰国翌日に馴染みの寿司屋に予約を入れました。
    お忙しいと思いますが、久しぶりに一杯飲りたいですね!

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  4. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  5. はて?
    daisukeを名乗る知人はメチャクチャたくさんいるんだけど、
    暑い盛りのベルリンに滞在してそうなdaisukeといえば…。
    荻窪在住(予定)のdaisuke.S君かな?

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  6. 失礼しました。daisuke.Sです。
    コメントの記入者欄をGoogleアカウントにしたところ、
    なんだか怪しい投稿者になってしまい失礼しました。
    先日は久しぶりにこちらを訪れ、海外滞在中にぴょこんと
    目の前に現れた美味そうな寿司の画像に、思わず足跡を残して
    しまいました。
    私の荻窪生活は、来年6月頃からとなりそうです。
    先輩、どうぞ宜しくお願いします・・・! D.S.

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