2009年5月26日火曜日

木次の「潜水橋」














昨夜は木次(現・雲南市)の
出雲湯村温泉「湯乃上館」に泊まった。
斐伊川に面した閑静な温泉宿で、
明治6年に建てられた木像建築に風情があり、
100%源泉掛け流しの温泉がまた結構。
(実に贅沢に、こんこんと湯が湧いている。)
一日二組の客しか泊めない家族経営の宿で、
ぼくと同い年の御主人が包丁を振るう料理が旨い。
(地元の純米酒を置いているのも嬉しい。)
ぼくたち夫婦が最も気に入っている温泉宿で、
概ね二年に一度は泊まりに来ている。
両親を連れ立ってきたのは今回が初めてである。

母親は斐伊川の源流部、奥出雲町鳥上の生まれで、
名前も川から一字を取って「斐子」という。
父方の祖母もこの近在の出で、
ぼくにとっては
まさに「父祖の地」であり「母なる川」だ。

この宿では、
米は地元で無農薬栽培された仁多米
(「西の魚沼米」とも云うべき銘柄米)を使っていて、
我が家でも食べている米だが、
この宿で食べるとより美味しく感じられる。
いつも不思議に思っていたのだが、
聞けば温泉水を使って炊いているとのこと。
なるほど、それでは敵わないと納得をした。

朝風呂に使って10時までのんびりして、
それから佐藤忠吉さんに会いに行く。
佐藤さんは地元の「木次乳業」の創立者で、
日本の有機農業の草分けの一人。
ぼくが大変に尊敬している方である。
今年で90歳という高齢だが頗るお元気で、
まだ自動車の運転もなさっている。
うちの両親が80才(傘寿)と聞いて、
「私から見りゃ子供みたいなもんです」とのたまった。
挨拶だけのつもりで寄ったのだが、
地元で作っているワインと
いま手がけているというどぶろくをいただいた。
これでは酒を貰いに行ったようなもので、恐縮する。













木次には「潜水橋」と呼ばれる小さな橋がある。
神話に出てくる八岐大蛇は
斐伊川を擬したものだと云われるほど、
この川は古来氾濫を繰り返してきた。
洪水のときには水面下に没する橋だから、
この名前がついたのだろう。













上流側に斜めに棒杭が打ち込んであるのは、
流木など流されてくるもので
橋が壊れないようにという工夫なのだと思う。
ぼくは生活感のある小さな橋が好きなので、
こういうのをみると渡ってみたくなる。
(…子供みたいなものだネ。)
午に木次を出て、いったん松江まで戻り、
父方、母方のお墓参りをしてバスで広島に入った。

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