九州八豊 やせうま だんご汁

きょうはなぜか奈良のホテルがどこも満室で、生駒での撮影終了後、大阪千日前まで移動して泊まった。
大阪の街は久しぶりだ。
ロケ・スタッフとともに夕食を食べに出て、道頓堀に向かう商店街を歩く。
小さくて汚いけれど安くておいしそうな店がそこら中にあって、たくさんの人が群れている。
喧騒の度合いが東京の繁華街とは一桁違う。
大阪は日本というより上海に近い。

商店街の中心からちょっと外れたところにおいしそうな店を見つけて入る。
看板には「九州八豊 やせうま だんご汁」という文字が同じ大きさで書いてある。
このすべてが店の名前なのだろうか?
狭い店はすでに満員で、3人はカウンターの隅っこにかろうじて坐ることができた。
どうやら大分料理の店らしい。
店を入ってすぐのところに大皿に盛った総菜が並べてあり、どれも旨そうだ。
メニューは過剰なまでに豊富で、何を注文すればいいのか悩みに悩む。

大皿からいわしの煮物や筍、南瓜、
ほかに鳥貝とワケギのぬた、鰈の唐揚げなどを頼んだ。
メインは、看板に大書きしてあるから外せないでしょう…ということでだんご汁鍋を注文。
肉や魚、海老、野菜など大量の具が入った味噌味(酒粕を隠し味に使っているという)の鍋である。
女将によれば、郷土料理コンテストで日本一に輝いたこともある自慢の味だとか。
仕上げに食べる「だんご」というのが想像とは違っていて、きしめんを太くしたような麺だった。
(この麺を大分では「やせうま」と呼ぶらしい。)
味噌味+具からの出汁があいまったスープをたっぷりと吸った「だんご」は、もちもちと腰があって旨く、
夜は原則として炭水化物を摂らない(というか、液体として摂取する)主義のぼくもけっこう食べた。
鍋の値段は一人前3990円と必ずしも安くはないが(ぼくたちは二人前頼んだ)、
大阪らしいコテコテ感覚が横溢していて、満腹感、満足感は格別。
九州料理も千日前で二十年以上も店を開いていれば、大阪の色に染まるようだ。

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