盛岡の夜はどぶろくとともに…

朝の新幹線で東京を発って二戸へ。
岩手県北部の基幹病院である県立二戸病院(300床)の院長にお話をうかがい、明日からは地元で入院ができなくなる九戸村を訪ねる。明日は朝早いバスで、やはり無床化が決まった大迫(おおはさま)に向かうので、盛岡まで戻って泊まった。

夜は先日も訪れた「南部どぶろく家」へ。
ごらんの通り、なかなか雰囲気のある居酒屋である。目当ての「マンボウギッチョ(マンボウのコワタ=小腸)」は品切れだったが、コブクロ(豚の子宮)のたたきや、スンキ(山菜)、ドンコ焼きなどの郷土料理を肴に地酒(紫波町の「廣喜」、二戸の「南部美人」)を飲む。ドンコは正式にはエゾアイナメという魚で、深海魚。淡泊な白身を味噌と肝を和えたものをまぶして焼いたものだ。「エゾ」とついてはいるが、北海道ではとんとお目にかかったことがない魚である。

仕上げにどぶろくを頼んだら、一人前が三合なみなみと出てきたのは想定外。
この店の自家製だというどぶろくは、口当たりがよく、野暮な重ったるさを感じさせない酒で、
なかに残った米の粒の感触を愉しみながら飲む。
…日本酒とあわせて五合ほど飲んだわけだから、さすがに酔った。
必ずしも安いという店ではないが、こういう個性派の居酒屋で飲むのは旅のかけがえのない楽しみである。

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