ぼくのAsia Day


我が家のベランダに咲いた花。
これでも一応、薔薇の花である。
どういうわけか…
南向きで日当たりがよく、
肥料を惜しんでいるわけでもないのに、
毎年、貧弱極まりない花をつける。
「薔薇」といえば、
もうちったぁゴージャスなもんだろうに…。
なんとも情けなくなるような、いじけ方である。

久しぶりの東京の休日だというのに、
溜まっている伝票を片づけるために会社に出なければならない。
うちの会社は、
旅費や宿泊費などの必要経費を
いったん職員が立て替えて後で会社に請求するシステム。
ぼくなどは出張ばかりしているから、
油断をしていると立替金がン十万円にもなってしまう。
冗談抜きに、小遣いの範囲では資金繰りがつかなくなってしまうのだ。
ウィークデイは出張で東京にいないから、
土曜や日曜に会社に出て立替金請求の伝票を切ることになる。
四月の燦々たる陽光の下を、
旅で疲れ果てた体を引きずりながら、
公園で休日を愉しむ人たちのあいだを縫うようにして
会社に向かっていると、
だんだん殺伐とした気分になってくる。

2時間ほど会社にいて、とりあえず十数万円分の伝票を切った後は、
新宿で妻と合流して映画「レッドクリフ part Ⅱ」(夫婦50割引)を観た。
「三国志」の赤壁の戦いに材をとった大作で、上海出身の妻とは中国映画を一緒に観ることが多い。
徹底的にアクションで押し切ったのが潔かった「part Ⅰ」に比べ、
ありがちな“人間ドラマ”に色目を使った分、「part Ⅱ」は失速してしまったのが残念だった。
ぼくは男権論者でもなんでもないが、こういう映画は、女性の登場人物にあまり時間を割かない方がいい。

映画を見終わって、
二人とも仕事の疲れが溜まっているので、
職安通りの「タイ古式マッサージ」の店で体を揉みほぐしてもらう。
15分1000円の「お試しコース」だったが、なかなか気持ちがよく、好印象。
担当してくれたタイ女性によれば、まだ店を開いたばかりだが不景気の所為か暇なのだという。
息子を呼び出して職安通り(すっかりコリアン・タウン化している)の韓国料理店「松屋」で夕食。
参鶏湯やプルゴギ、葱チヂミ(韓国風お好み焼き)を食べる。
…というわけで、さながらAsia Day、いたって平和な「大東亜共栄圏」的一日だった。

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