一年ぶりのダイビング

20日、21日と伊豆海洋公園で海に潜った。去年の8月20日以来のダイビングだから、ほぼ一年ぶりだ。


その前に潜ったのは2014年の10月だから、2年近く開いている。10前には年間100本潜った年もあるというのに、ここ数年の“海離れ”は自分でも情けない。もっとも、これには理由があって、オキサリプラチンという抗がん剤を使っていた関係で、副作用で冷たい水に触れると手足の指先が痺れ、なかなかダイビングというわけにもいかなかったのである。それが副作用が積み重なって骨髄の造血能力が落ち込んだため、オキサリプラチンの点滴を休止することになり、指先の痺れが軽くなってダイビングに差し支えがなくなった。人間万事塞翁が馬というか、いったい何が幸いするかわからないものである。


久しぶりに伊豆の海に行って驚いたのは、平日とはいえ真夏だというのにダイバーが少なかったことである。ダイビング人口の減少は数年前から実感してはいたが、この衰退ぶりは何に起因するものなのだろうか?景気の悪さが直撃しているのかもしれないし、若い女性を中心に神経質に日焼けを嫌う風潮も関係していそうだ。ぼくとしては夏だというのにビキニの若い女性たちの姿が少ないのが淋しい。

一方、ダイバーの世界もご多分に洩れず高齢化が進んでいて、ぼくがいつも使っているショップの初日の客は3人。そのなかで61歳のぼくが一番若いというのも困ったものである。翌日(金曜日)の客はぼく一人だった。



伊豆海洋公園で潜るのは「ブリマチの根」というポイントが多く、ソフトコーラルが綺麗で魚影も濃いところである。イサキやタカベ、アジなどの回遊魚、さらには地付きの魚であるキンギョハナダイやスズメダイの大群は壮観である。


イサキが何匹か塊になって泳いでいる。なんだろう?…とよく見ると、ホンソメワケベラが一匹混じっている。ホンソメワケベラは他の魚の食べ残しや皮膚についた寄生虫を食べる、言わば“海のクリーニング屋”。あるいはエステのようなものだろうか?…心地よいらしく、イサキたちは大人しく順番を待っている。


目の前をイワシの大群が凄まじいスピードで横切っていった。たぶん何かに追われていたのだろう。イルカかブリ、シイラか…捕食者の正体は確かめ損ねた。もっとも、今回は深いところの水が濁っていて、すっきり抜けてくれないので後半は小さな被写体を中心に狙った。


これはキイボキヌハダウミウシ。ぼくはズームレンズが嫌いで、今回も38mmと60mm相当のSigmaのレンズを持ち込んだ。ともにF2.8なので、開放で狙えばボケの効果も期待できる。


これはキヌヅツミガイの仲間、たぶんツリフネキヌヅツミガイだろう。こうした宝石のような綺麗な貝に出会えると嬉しい。

いまは年金生活者でかつてのように小遣いに不自由しない立場ではないが、体調が許す限り、海に復帰したいと思っている。21日までに潜った本数は755本、可能であれば生きているうちに1000本を達成したいものだ。

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