JR東日本の
大人の休日倶楽部パス(4日間乗り放題・15000円)を利用して、
東北の温泉めぐり一人旅に出た。
初日のきょうは秋田県大仙市の岩倉温泉を訪ねた。
10時04分、秋田新幹線「こまち」で東京駅を発つ。
福島に入る頃から窓の外は一面の雪景色。
仙台を過ぎると一度雪が消えたが、秋田はもちろん雪の中である。
それでも今年は少ない方なのかもしれない。
大人の休日倶楽部パス(4日間乗り放題・15000円)を利用して、
東北の温泉めぐり一人旅に出た。
初日のきょうは秋田県大仙市の岩倉温泉を訪ねた。
10時04分、秋田新幹線「こまち」で東京駅を発つ。
福島に入る頃から窓の外は一面の雪景色。
仙台を過ぎると一度雪が消えたが、秋田はもちろん雪の中である。
それでも今年は少ない方なのかもしれない。
(大曲駅)
13時18分の予定に2分ほど遅れて大曲駅着。
駅前のバスターミナルでコミュニティバスに乗り換えて、
40分弱で終点の岩倉温泉に着く。
(岩倉温泉)
岩倉温泉はバス停の目の前の一軒宿で、他には何もない。
いやがうえにも〝秘湯ムード〟が漂う。
新しい建物ではないと思うが、
掃除が行き届いているらしく清潔感がある。
(岩倉温泉・玄関ロビー)
さっそく入浴。
それほど広くはない浴室が男女各ひとつずつ、
如何にも昔ながらの温泉宿で、露天風呂はない。
(泉質は文句なしの素晴らしさ!)
一見何の変哲もない浴場だが、湯はとてもいい。
泉質は塩化物泉(ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉)。
加水なし、加温なしの源泉かけ流しで、
微かに独特の臭いがある。
(湯口・かつては竜頭をかたどっていたらしいw)
なんとも柔らかいお湯で、大変体が温まる。
飲泉もできるので試してみた。
わずかに塩辛さと酸味を感じる。
効能はよく判らないが、胃腸に優しそうだ。
ぼく的には大変得点の高い温泉である。
夕食は山菜や茸類を中心に、
ニジマスの塩焼き、秋田名物・きりたんぽ鍋など。
(質・量ともに申し分のない夕食)
(山の宿らしく、ニジマスの塩焼きが出た)
素朴といえば素朴だが、おいしい。
山の温泉では山の幸を食べたいと思うぼくには
何よりのご馳走である。
(やはり、秋田といえば、きりたんぽ)
鮪や海老の刺身が出ないだけでも得点はぐんとアップする。
海産物は、しめ鯖が一切れと、鰰のすしが出たぐらい。
(飯寿司ですね?と言っても通じなかった)
鰰も秋田名物だから、これは嬉しい。
北海道では「飯寿司(いずし)」と呼ぶが、
秋田ではただの「すし」なのだという。
(純米ではない「雪の茅舎」は初めて飲んだ)
酒は由利本荘市・齋彌酒造の「雪の茅舎 奥伝山廃」を置いていた。
「雪の茅舎」はぼくの大好きな蔵で、
純米でないのはちょっと残念だったが、
そのためか口当たりはむしろさっぱりしている。
旨い酒には違いない。料理にもよくあう。
今回の旅には、「つげ義春の温泉」(ちくま文庫)を携えてきた。
昭和40年代から50年代にかけて、
つげ氏が撮った
各地の温泉のモノクロ写真がふんだんに使われている。
岩倉温泉に近い湯ノ神温泉を撮ったものもあった。
黒湯(秋田)、夏油(岩手)、肘折(山形)、四万(群馬)など、
ぼくが知っている温泉の写真も少なくないが、
あまりに佇まいが変わっていて、
どこを撮ったものだかさっぱり判らない写真が多い。
藁葺き屋根の掘っ立て小屋風の建物が目立ち、
「秘湯」というよりも「秘境」に見える。
多くが混浴だったようで、
おばちゃんたちが
カメラの前で堂々と裸体をさらしているのも印象的。
すでにぼくが物心ついていた時代の写真だというのに、
遠い昔のもののように思える。
若い頃に、つげ義春の漫画を夢中で読んだ時期がある。
特に「二岐渓谷」など温泉旅をテーマにした漫画が好きで、
ぼくがいま温泉めぐりを続けているのは、
つげ氏の影響が大きい気がする。
つげ氏は当時、
旅をする理由を井伏鱒二の影響だと書いていたはずで、
そういうルートで〝伝染〟して今日に至る、
…ということなのかもしれない。
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