「大人の休日倶楽部パス」(これが正式名称)の旅も3日目。
10時25分のバスで嶽温泉を発つ。
間一髪で11時27分弘前発の普通列車に乗れたので、
特急の指定席を予約していたのをキャンセルして、
秋田まで各駅停車の旅をすることにした。
新幹線はもちろん、特急の旅もどうにも味気なくていけない。
急がない旅は各駅停車に限る。
行けども行けども、窓の外は一面の銀世界だ。
弘前を発って2時間半、
固い座席にそろそろ尻が痛くなり始める頃に秋田駅到着。
30分ほどの乗り継ぎ時間を利用して駅弁を食べ、
再び奥羽本線の普通列車に乗って峰吉川に着いたのが15時12分。
列車の本数そのものが少ないので、
予定通り特急で行くより1時間早く到着することができた。
駅まで宿の車が迎えにきてくれていて、
4kmほど離れた強首(こわくび)温泉・樅峰苑へ。
国指定の有形文化財だという豪壮な建物である。
10時25分のバスで嶽温泉を発つ。
間一髪で11時27分弘前発の普通列車に乗れたので、
特急の指定席を予約していたのをキャンセルして、
秋田まで各駅停車の旅をすることにした。
新幹線はもちろん、特急の旅もどうにも味気なくていけない。
急がない旅は各駅停車に限る。
行けども行けども、窓の外は一面の銀世界だ。
弘前を発って2時間半、
固い座席にそろそろ尻が痛くなり始める頃に秋田駅到着。
30分ほどの乗り継ぎ時間を利用して駅弁を食べ、
再び奥羽本線の普通列車に乗って峰吉川に着いたのが15時12分。
列車の本数そのものが少ないので、
予定通り特急で行くより1時間早く到着することができた。
駅まで宿の車が迎えにきてくれていて、
4kmほど離れた強首(こわくび)温泉・樅峰苑へ。
国指定の有形文化財だという豪壮な建物である。
樅峰苑は元々この土地の豪農・小山田家の邸宅で、
小山田家は佐竹氏の秋田移封に伴いこの土地に住み着いたという。
代々名主を務め、現在の当主は十六代目。
戦前は450haもの田地を所有していたというから大地主である。
その富の蓄積の一端が贅を凝らしたこの建物にうかがわれる。
現在の建物は、以前の邸宅が地震で倒壊した後、大正6年に竣工。
今年でちょうど築100年になる。
地元の宮大工を京都に一年間派遣して
耐震技術を習得させてから建築にかかったという話だ。
様々な様式の破風を組み合わせたところに特徴があるというが、
ぼくにはよく判らない。
現在は旅館として活用されているが、
古い建物、とりわけ木造建築が好きなぼくには堪えられない。
この階段は鹿鳴館を模したものらしい。
建築様式には詳しくないが、和洋折衷であるのは判る。
明治の文明開化の波が
歳月を経てこうした形で奥羽にたどり着いたのだと思えば、
趣もひとしおというべきか。
温泉としての歴史は浅く、
1964年、天然ガスを試掘したところ温泉を掘り当てた。
それを機に小山田家は旅館に転業。
当初は数キロ離れた泉源から湯を引いていたが、
経済的に合わないので9年前に自家泉源を掘った。
ほどなくして東日本大震災があって元々の泉源は枯れてしまい、
いまでは樅峰苑だけが温泉旅館として残ったのだという。
泉質はナトリウム塩化物強塩泉、
つまり、舐めてみるとかなり塩辛いのである。
各地の温泉をまわってきたが、ここまで塩辛いのは記憶にない。
泉温49℃、無加水、無加熱の100%源泉掛け流し。
宿泊客は貸し切り露天風呂に入浴できる。
心地よいが、やはり一人では淋しい。
いつの日にか、若い娘と一緒に入浴したいと妄想を逞しくする。
前日、前々日の硫黄泉とは違うが、これもまたいい湯である。
この宿の特徴は食事が実に美味しいことだ。
松楓荘、山のホテルに比べると宿泊費が5千円ほど高く、
今回の旅で最も贅沢をした宿だが、それだけのことはある。
ぶりこを腹いっぱいに抱えた鰰の醤油麹漬け焼きを除けば、
すべてが山の幸、川の恵みで、ぼくにはそれが嬉しい。
あみ茸、湯葉、鯉の甘露煮…
上の写真はモクズガニの味噌を甲羅に入れて焼いたもので、
一人前に5〜6杯の蟹を使っているという。
実に濃厚な味わいで、日本酒好きにはたまらない。
こちらは同じモクズガニの唐揚げで、香ばしさが身上。
ともかく、いずれの料理もおいしくて、酒が進む、進む…。
その酒も、
「まんさくの花」で知られる
横手市の日の丸醸造(大きく出たネ)が醸したオリジナル純米吟醸、
ビールも「田沢湖 湖畔の杜」のデュンケル、ピルスナーなど、
他でなかなか飲めない銘柄があって申し分ない。
3泊4日の最後の夜を満喫した。
ぼくは「源泉掛け流し原理主義者」の温泉好きで、
いままでも結構あちらこちらの温泉をまわってきたが、
今回の旅は3泊とも水準を超える、個性的な温泉宿で満足をした。
次回の「大人の休日倶楽部パス」では何処に行こうかと、
いまから期待を膨らませている。
東北は広い。まだまだ訪れたことのない温泉が山ほどある。
そして、信州や甲州、越後、加賀、伊豆、群馬に栃木…
百まで生きないと、とても回りきれないなあ。
すてきな 温泉ですねぇ・・・
返信削除上海蟹 と どっちが?
おいしかったのか? ちょいと 気になりますね。奥様?
奥様抜きの一人旅でしたので、恨まれてます…w
削除モクズガニはいま
半壊滅状態の上海蟹の代用品として注目されているようですが、
ぼくの記憶の中ではやっぱ上海蟹ですかね。
味噌がさらに濃密な味だったように思います。
旅館の外うちの写真を翌朝撮ったものに差し替えました。
返信削除