「ふるさと納税」で行った四万温泉

仕事が実質的に終わったので、とてもゆったりした気分でかみさんと二人、静養のため群馬県の四万(しま)温泉を訪ねた。もっとも、ぼくにとって番組を作り終えるということは、失業者、年金生活者に戻るということに他ならないのだが…。

行く先を四万温泉にしたのは、四万温泉のある中之条町の地域振興券で宿泊費が賄えるからだ。最近は「ふるさと納税」がちょっとしたブームで、実質2500円の負担で地元産の返礼品を受け取ることができる。納付額の半額に相当する地域振興券が貰える中之条町もお得な納税先のひとつとして全国的に人気がある。息子が去年、中之条町に納税して、返礼品として受け取った地域振興券をプレゼントしてくれた。こう書くと実にもって親孝行な話のように聞こえるが、本当のところはかみさんが「2500円で親孝行できるんだから、あなたやりなさい」と
面倒臭がる息子に半ば強要した結果である(笑)。

四万温泉を訪れるのはこれで三度目。ぼくたち夫婦が気に入っている温泉地のひとつである。
JR高崎線で中之条駅へ到着して、そこからバスで温泉に向かう。時間があったので途中下車して「四万の甌穴(おうけつ)」に立ち寄った。


甌穴とは、(かみさんがネットで調べたところによれば)川の流れが渦巻き状になって石や砂が同じところをぐるぐる循環、川底の岩盤に触れて侵食してできた丸い穴のことをいうそうだ。



数万年もの長い月日をかけてできたものである。


まだ紅葉には少し早いが、渓谷沿いの道は気持ちがいい。四万の甌穴から写真を撮りながら20分ほど歩くと、宿泊予定の柏屋旅館である。


柏屋旅館には無料の貸切露天風呂が三つあり、そのなかの「月乃湯」は源泉掛け流し。


泉質はナトリウム・カルシウム–塩化物・硫酸塩泉。ph7の中性の温泉である。他の二つの露天風呂は源泉掛け流しと循環式の併用で、気のせいかもしれないが、お湯の鮮度が違うように思う。

夕食は部屋食で、地元産の野菜料理が中心。季節の野菜の温泉蒸しにバーニャフレッダソースを添えたもの、刺身こんにゃく、かぼちゃ豆腐、小蕪と群馬産の麦豚煮(胡麻出汁)、それに赤城鶏と県産野菜のお鍋などが供された。大変美味しく、酒の肴としても、これが思いのほかイケるのだ。といっても、珍味系の肴のようにがぶがぶ飲むわけではないので、かみさんの機嫌がいいという、思わぬ相乗効果(?)もある。むかごと秋鮭腹子飯(釜めし)でしめるのだが、刺身が出なかったことにぼくは宿の“見識”を感じた。
四万温泉のような山の宿に泊まって鮪の刺身が出たのでは、それが鮮度のいいものであってもがっかりしてしまう。山に行ったら山のものを食べたいというのがぼくの評価基準で、そういう意味で柏屋の食事は極めて高得点である。かみさんも「ヘルシーで美味しい」というので上機嫌。従業員のみなさんのサービスも距離感がほどよく、一泊一人16500円と宿泊費もリーズナブル。ぼくら夫婦にとってまた来たい宿のひとつとなった。

もっとも、かみさんは東京に帰った途端、「来年は草津温泉をお願い」と息子におねだりをしていた。中之条町の成功に刺激されたのか、今年の「ふるさと納税」では草津温泉のある群馬県草津町でも納税額の半額相当のふるさと振興券を用意したという話だ。

コメント

  1. あら・・ まぁ・・・
     紅葉ですね。
     いいですねぇ。。

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    1. まだ走りでした。
      もうちょっと後が綺麗なんでしょうけどね。

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