早春の釧路、入梅の東京

妻の言葉ではないが、
釧路にいるときぼくは本当に忙しいのである。
一昨日はウッドデッキの塗料を塗り直した。
設えてから二冬を越して塗料の剥げが目立つので、
施工してくれた丸善木材という会社に電話をすると、
その日のうちに
我が家のデッキにあわせた塗料を調合して持ってきてくれた。
ぼくは塗るだけ。
地元の会社にお願いをすると、こういうところがいい。


昨日の朝には
丸善木材の専務である
鈴木一浩さんが様子を見に来てくれた。
鈴木さんはオルガン奏者としても活躍している方で、
ちょうど釧路に帰ってきた日の夜、
鈴木さんのCDを聴いたところだった。
ファンクというのだろうか、かっこいいのだ、これが。


鈴木さんと話をしているところに
ホームセンターに注文していた砕石(砂利)が届いた。
20kgが12袋、
雑草除けの意味もあってウッドデッキの周囲に敷き詰める。
家の周りにインターロッキングで舗道を作っているので、
そちらの周りにも使う。
こうした作業をぼくはもう何年がかりで続けている。
年間何日かしか釧路に帰って来られないし、
途中でやり直したりもしているから、時間がかかる。
12袋の砂利というのは大量なようで、
敷き詰めるとあっというまに使い切ってしまう。


去年の同じ時期に比べてずいぶん綺麗になったでしょう?
買った時期によって砂利の色が微妙に違うので、
庭がツートンカラーになっているのはご愛嬌である。
何本か植えたツツジの一本が枯れ、
針葉樹(コニファー)も冬を越せなかったので、
新しい木に植え替えてやらなければならない。
木が根づくことを考えれば5月がいいはずなので、
来年もこの時期に帰ってきて作業することになるのか。
舗道の外側(写真の右の方)はまだ砂利を敷いていないので、
ぼくの庭作りはまだまだ終わらない。


 釧路の時間は忙しく、しかし、ゆっくりと流れている。
仕事を忘れて一人でいるので、
いろんなことを考える時間もけっこうある。
中国経済の現状について、
ぼくは「バブル」は既に弾けていると見ているのだが、
不良債権化した地方政府への融資をめぐって
ドラスチックな破局に至ることがあるのだろうか…とか、
アベノミクスの本質は
生活者からグローバル企業への
「所得移転」に他ならないのではないか…とか、
いま抱えている仕事には直接関係しない、
その意味では「不要不急」のことを考えるのである。


ここ二、三日は暖かかったので、
庭のハルニレの新芽が膨らんできた。
いまにもみずみずしい若葉を開きそうだ。
ツツジもあと数日で咲きそうなのに、
釧路を離れるのは後ろ髪引かれる思いである。
しかし、
まだ「現役」の身の上としては
いつまでも遊んでいるわけにはいかないので、
北国の遅い春に気持を残しながら東京に戻ってきた。


天気が悪く、
飛行機の窓からは雲しか見えない。
…東京はうんざりするほど蒸し暑かった。
憂鬱な気分で空を眺めるうちに小雨が降り始めた。
関東圏はきょう梅雨入りしたのだという。
例年より10日がところ早いはずだ。
今年は春が遅かったのに、梅雨入りは早い。
どんな夏になるだろうと思うと、少々気が滅入ってくる。


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