東日本大震災の被災地を歩いた衝撃がなかなか抜けない。
東京に帰ってきて一週間。
仕事に追われ、
生活はもう日常に復旧したはずなのに、
どこかで自分の「日常」を取り戻せないままだ。
写真は現場で撮ってきて、
RAWで撮ったので「現像」しなければならないのだが、
なかなかその気にならないで放置していたもの。
一番上の写真は陸前高田市である。
ここはもともと入り江だったわけではない。
ここには町があったのである。
彼方に千昌夫さん所有のホテル(二年前に泊まった)ホテルがみえる。
二枚目は津波の衝撃で無惨に潰れた自動車(県立高田病院前)。
三枚目は山田町の老人保健施設「霞露」である。
ここでは89人が死亡・行方不明になった。
ぼくの拙い写真で被災の現実が伝わるとは思わないが、
こうした“風景”を毎日見ているとどこかで元に戻れなくなってしまう。
きょうは明日放送の「ETV特集」のスタジオ収録で、ぼくは出演もした。
テーマは被災地の医療の現実と再生への課題だが、
被災した方々に寄り添う番組になっていれば幸いである。
とりあえず、ぼくにできることはそれしかない。
明後日からまた、岩手の被災地に入る予定だ。
複雑な思いを抱えたままの取材・編集・出演等、
返信削除本当に大変だったとお察しします。お疲れ様です。
原発事故の過酷な現場の中で働く作業員さんたちのように、
医療従事者の皆さんの苦境も、この番組によって周知されるといいですね。
私自身、言葉を発することが何だか億劫になっています。
初めての経験です。
じっくり情報を整理して過ごそうと思います。
>エイコンハウスさん
返信削除いつもありがとうございます。
語るべき言葉が見つからないままに、
とりあえず語れそうなことを語ったという番組でした。
今後とも試行錯誤です。
二ヶ月後にはもう一本番組を作るつもりで、また現場を見つめてきます。