岩手の「点と線」

明日からまた岩手県に出張。
県立病院の再編(5つの診療所の入院用ベッドを休止する)をめぐって、
県当局と町村、住民とのあいだにトラブルが起きているのである。

5つの県立診療所は、
もともと病院(入院用のベッドが20床以上)だったものを、
3年前から順次縮小して、診療所(ベッド数19以下)にダウン・サイジングしたもの。
それだけに、「おらが病院」がみるみる小さくなっていくことへの地元の反発は強い。
医師不足のなかで現状の規模はとうてい維持できないという県側の言い分は合理的なのだが、
去年11月に無床化の方針を明らかにして
4月からさっそく実施という性急さでは収まるはずがない。

ぼくは揉めている5つ診療所の地元をすべて訪ね歩くつもりだが、
病院の規模を縮小されるくらいだから、どこも“田舎”である。
盛岡と花巻の中間に位置する紫波町はまだしも、
九戸村、花巻市大迫、住田町は大変不便なところである。
残るひとつの一関市花泉にしても、
東北本線の駅はあるのだが、停まる本数が少なく、新幹線との接続もよくない。
こうした町をすべてまわろうというのだから、勢い、時刻表とにらめっこということになる。
岩手県は広く、ご多分に漏れず公共交通網はほぼ壊滅の状態にある。
そのうえ、乗り継ぎはできても、
先方にも都合があるので、必ずしもそのタイミングで会ってもらえるとは限らない。
…松本清張になった気分で、取材日程の「点と線」をつないでいくが、
結局、新幹線で最寄りの駅まで行ってあとはタクシーというケースが増えそうだ。
取材対象のアポを取って、乗り継ぎを確認し、宿の手配をするのに丸一日を要した。

ぼくは車の運転が出来ない。
それでいて、いわゆる「僻地」を取材することが多い。
だから、ぼくの取材はいつでも「点と線」を結ぶのに汲々とする。
随分エネルギーをロスしているような気がしなくもないが、
もう30年もやっているので慣れてしまった。
それに、不便な公共交通機関を乗り継いでいると、
車で乗りつけるのとは違う、その土地の風土感を身近に感じるのも確かである。
ローカル線の普通列車や生活路線のバスに揺られていると、
それなりの風情とともに、
いまだ知らない土地や人生と出会いにいくことへの密かな高揚を覚えるのである。

コメント

  1. ジョージ・クルーニー2009年3月31日 20:59

    toriyoshikiさま
    リニューアルおめでとうございます。
    車の運転をされないのを初めて聞きました。
    わがふるさとでは運転免許が取り易いですよ。田舎ですから・・・。
    あっ風邪ぎみさんがMacでは上の写真が出てないよと申されていました。(私はWindowsからこれを打っていたら覗き込んでコメントされて帰られました)


    医療再生の点からのコメントでした。

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  2. >ジョージ・クルーニー先生

    ありがとうございました。
    おかげさまで文字化けしないのが確認できました。
    でも、何が「医療再生の点から」なのか…実はよくワカラナイのですが。

    某風邪ぎみ先生のMac.はきっとかなり古いのでしょう(笑)。
    そうでなければ、Windowsなんぞに後れを取る道理がございません…。
    で、今日の取材で、風邪気味先生が激しく反応しそうな話を聞きました。
    MJLnetの方でご報告するつもりでいます。
    題して、「仁義なき医師はいらない」(爆)。

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  3. こんにちは~WindowsXP(ブラウザはGoogle chrome)できれいに見えています。今回は文字化けもないです。

    Google Bloggerにされたのですね。ちょうど私も宿のニューオープンに伴い、Google Bloggerでホームページを作っているんですよ。

    http://acorn-house.blogspot.com/

    まだ使いこなれていないせいで、思い通りに作成できないのが辛いのですが、すっきりしたデザインは結構気に入っています♪

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  4. ACORN HOUSEⅡさん

    書き込み&表示のされ具合のご報告、
    どうもありがとうございます。
    へぇ~、ホームページをBloggerにしたんだ、
    と思って覗いてみたら、げ、英語だ…

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