女心とパリの空

今朝早く妻がパリへと旅立っていった。
上海発のツァーで、往復の航空券と4泊のホテル代込みで邦貨にして10万円ほどだという。
これは安い。
夏のハイシーズンに出張で旭川まで往復していると、航空券だけで8万円以上かかってしまう。
それを思えばこの値段は嘘みたいで、
仕事で旅をしている人間をバカにしているのかとちょっと怒ってみたくなる。
ま、それはいいのだが…。

実は、妻は天下御免の方向音痴である。
東京でも自宅のある荻窪と仕事場の渋谷なら何とかなるが、これが新宿になるともう心許ない。
当然、地図も読めない。
だから、独りでは何処にも行きたがらず、いつもぼくがエスコートしていくことになる。
それが、上海在住の従姉妹が一緒だとはいえ、パリに行きたいなんぞと言い出したから驚いた。
そして、心配になった。
もちろん、彼女はフランス語など片言すらできないのだ。

重度の方向音痴を自覚しているはずの妻が、
パリであれば何をさておき行ってみたいという心理はいったい如何なるものなのだろうか?
彼の都には女心を惹きつける何があるのだろうか?
妻は大きなRIMOWAのスーツケースをひきずっていった。
送って出るときに持ったらずいぶん軽かったから、きっと中身はほとんど空だったのだろう。
そしてたぶん、帰りにはこのスーツケースを一杯にして帰ってくるつもりなのだろう。

夜も遅くなって、妻からシャルル・ドゴール空港に着いたというメールが入った。
ぼくはちょっとだけ安心をした。
間違ってロンドンに行ってしまうのではないかと本気で心配をしていたのだ。




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